たじまのしぜん

クサソテツ

コウヤワラビ科 クサソテツ属  草蘇鉄     (Matteuccia struthiopteris)

クサソテツ、別名コゴミ。早春の山菜としてよく知られている。湿っているが水はけが良い場所、河川敷や土手、山際の日当たりの良い場所などで群生していることが多い。春一番に鮮やかな草色の葉を伸ばす様子が美しい。

シダ類ではワラビが有名な山菜だが、クサソテツはほとんどあく抜きの必要がなく、さっと湯がくだけで食することができるためとても扱いやすい。特に味が良いものではないが、爽やかな歯ごたえと少しのヌメリと風味でどんな料理にも使える。私はシンプルにポン酢やマヨネーズだけで食べるのが好きだ。最近は栽培ものが一パック数百円で販売されていたりするのだから優秀な山菜なのだろう。

 

多年生草本で、根茎が太く直立しわずかに地上部に露出する。周囲に古い葉柄の基部が集まり単羽状複葉が広がる様子は、ソテツを十分に連想させるもので、その和名が納得できる。山菜として用いる春に出てくる若葉。太く直立した根茎の先端に自分の体を巻き込んでかがむように見える状態から、徐々に立ち上がって緑の葉を広げていく。その姿からコゴミの通称を得たであろうことは明白だ。

このクサソテツ、概ねサクラの開花と同じころ、円山川下流部では3月下旬、4月初めころからが採取シーズンとなると思う。あっという間に展葉するので収穫時期は非常に短いから注意するようにと、たいがいの山菜指南書には記載されている。しかし、私はそう思わない。

あくまでも個人の経験上の話になるが、円山川支流の土手などではあまり大きな株は発達しておらず、展葉時期は集中していて収穫期間は確かに短い。

一方、円山川本流河川敷においては、大株が発達していて株ごとに展葉時期に大きな差がありゴールデンウィークまで採取が可能である。大株が発達している場合は一見すべて展開しきったように見える群落でも、探してみるとまだ採りごろのものが残っているのだ。

円山川本流の立野大橋~堀川橋辺りでは以前はクサソテツの大群落があった。残念ながら、平成16年の23号台風災害の後、河川工事が行われ表土がめくられてしまったようで、この大群落は壊滅してしまった。

あのクサソテツの大株が発達するのにどれだけの年月がかかったのだろうか。復活することはできるのだろうか。ちなみに同じく優秀な山菜であるカンゾウ群落も大打撃を受けほぼ壊滅した。

かすかな希望として、昨年、立野大橋下でクサソテツの大株の生き残りを一株発見することができた。

また、今年になってやや上流に大株の群落があることを知人より教えてもらい、つい先日もゴールデンウィークまでの収穫が可能であることを確認した。

クサソテツ自体はいくらでもある植物である。

しかし円山川本流河川敷に見られる、本物のソテツを彷彿させる大株のクサソテツは普通に見られるものなのだろうか。

収穫期間の永いクサソテツ群落はもしかしたら貴重なものなのではなかろうか、興味のある所である。

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