コセンダングサ キク科
センダングサの仲間は種類が多いです。手元の図鑑には12種類(変種も含む)も載っています。在来種はタウコギだけで、他は南北アメリカを中心にやってきた外来種です。豊岡では、これまではアメリカセンダングサが目立っていましたが、最近はコセンダングサが増えてきたように思います。
タウコギとアメリカセンダングサは他の種類と簡単に区別できます。ただし花の時期限定です。両種は他の種に比べて苞葉が明らかに長いのです。また、アメリカセンダングサには湿地に生え茎が暗赤紫色を帯びるものが多いという特徴もあります。
コセンダングサは熱帯アメリカ原産の1年草です。コセンダングサは河原や荒れ地に大きな群落を作っていることがよくあります。
大きなものは1m以上になります。葉は茎の下の方では対生し、上の方では互生します。葉は裂けて3~5個の小葉に分かれます。頂小葉の先端は細長くとがりますが、鋸歯は先が鈍いです。この葉を見ると、確かに名前の由来になっているセンダンという植物の葉に似ているのかなと思います。
頭花には舌状花はありません。筒状花だけが集まって咲きます。そのためコセンダングサの花は派手さのない花になります。変種関係にある非常によく似たアイノコセンダングサ、コシロノセンダングサ、オオバナノセンダングサなどは白い舌状花をつけるので、区別は容易に思えますが、子細に見ていくと中間型が多様にあって、すべてを含めてコセンダングサでいいのではないかという意見もあります。
コセンダングサは、ひっつき虫です。タウコギとアメリカセンダングサは種子の突起が2本しかありません。他の種は2本とは限りません。コセンダングサは2~4本とされています。この写真の個体はほぼ2本で稀に3本がありました。
コセンダングサは、江戸時代に日本にやってきたようです。自然環境や農業にいろいろな悪影響があるとされ、外来生物法で要注意外来生物に指定されています。駆除が望ましい植物です。1年草ですので花が咲く前に熱心に抜けば激減します。
『帰化&外来植物見分け方マニュアル950種』には、「紀元前2600年の古代メソポタミア文明や古代エジプト文明で薬用・食用にされた。1970年になるとFAOが本種をアフリカで栽培することを推奨した。」などと書かれています。食べて減らすことも可能なようですが、残念ながらおいしくないようです。地道に抜くしかないようです。