ジギタリスを初めて見たのは40数年前、京都市の山奥でした。ベルのような形の花が縦にたくさん並び、なかなか印象的な花です。「園芸植物だけど時々逃げ出している。強い毒があるが、心臓の薬にもなる。」と教えてもらい、かっこいいと思ったのを覚えています。 キツネノテブクロという別名も教えてもらいましたが、これはピンときませんでした。foxgloveという英名の直訳なんですね。
それからかなりの月日が経って、但馬の廃村で見ました。石垣にまばらに生えていました。また、山深い谷の奥の方の人家の石垣でも見ました。但馬にも植える人があるんだ。結構逃げ出しているんだなと思いました。やがて、だんだんと見かけることが多くなっていきました。
近年、大群落が各地で見られます。
シカが多くなってきてからよく見るようになりました。人にとって致死的な毒を持つ植物なので、シカにも嫌われているのかなと思っています。
ここは明延です。鉱山のあった場所ですから少し他の場所とは植物の生え方が異なります。たくさんのジギタリスがあっても、まあこんなものかと思いました。
ここは広域基幹林道です。標高820m地点です。蘇武岳と三川山の途中に位置します。兵庫県で最もシカによる食害の酷い場所です。もう至るところが裸地になっています。そこにジギタリスが入ってきています。これからますます増えると思います。
ジギタリスは多年草です。しかし暑さには弱く、但馬の低地では夏に枯死してしまいます。栽培するときには、真夏は涼しい半日陰になるような場所に植えます。また、開花のためにはある程度の大きさに達した苗が冬の低温にあう必要があるともいいます。この場所は、いろいろな条件がジギタリスに最適なようです。
ジギタリスの葉をコンフリーの葉と間違えて食べて起きた死亡事故が知られています。最近ではコンフリー自体有毒であり食用には適さないことが分かっています。間違って食べたりしないようにお願いします。