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アセビ 美しいだけではありません

アセビ ツツジ科

今の季節、山の木々は葉を落としているものが多く、林床の草もまだ芽吹いていません。そんな中で山に目立つ緑があります。それはおそらくはアセビです。大きくなっても3mほどにしかならない低木です。

3月終わり頃から白い花を咲かせ始めています。近づいてみると小さな花がたくさん集まっていて、一個一個の花はスズランのような形をしています。

アセビはもともとは乾燥した尾根筋などにも多い植物です。それがよく目立つようになったのは、葉に毒が含まれているためにシカが食べ残すことが原因です。今のシカの密度が続けば、どんどんと広がっていくのだろうと思いますが、コウノトリの郷公園では、今はまだそれほど広がっているようには見えません。

アセビは白い花をつけます。中には赤みを帯びたものもあります。アケボノアケビと呼ばれる品種です。よく見ると花の色だけでなく顎の色もいろいろあります。様々なかわりものが出てくるので自然は楽しいです。アセビの中には園芸種もあります。アケボノアセビの中からさらに赤いものを選抜したのかもしれません。こうなるともうアケボノではなくベニバナアセビ呼んだ方がよい感じです。

赤い顎に黄緑の顎も混じる

黄緑色の顎

さて、アセビですが、漢字で書くと馬酔木です。しかしアセビは日本固有種、日本にしか生育しない木です。ですから日本で考えられた漢字表記であることになります。昔の日本の人が、馬がよろよろと酔っているような状態になっているのを見て、組み合わせたのかもしれません。
毒は植物体全体に含まれています。樹皮,根皮には多く含まれ、果実,葉,花にも含まれます。材部にも多くはないものの含まれます。動物たちは食べないように避けているようですが、間違えて飼料の中に入れてしまうと食べるらしく、中毒してしまい、量が多いと死んでしまいます。
アセビは、有毒成分を含んでいますが、人間は逆にそれを利用もしてきました。葉や茎を煎じて毒成分を抽出し、農作物の害虫駆除に使ったそうです。また昔のくみ取り式のトイレでは、ウジ虫を殺すのに使われました。
毒を利用するのは人間だけではありません。シカも食べずに避けて通るアセビの葉を好んで食べる昆虫がいます。ヒョウモンエダシャクです。この蛾は、アセビ、ハナヒリノキ、レンゲツツジなどのツツジ科の有毒植物を食草にしています。ヒョウモンエダシャクの幼虫は毒をもつアセビを食べて体に毒を蓄積します。毒は成虫になっても残ります。何も知らない鳥はこの蛾を食べてひどい目に遭います。そして次からは決して食べようとはしません。学習効果抜群です。覚えてもらえるなら目立つ方がいいのでしょう。ヒョウモンエダシャクは蛾の仲間にしては目立つ姿をしていますし、見つけられやすい昼間に活動します。生き物の世界はいろいろあって面白いです。

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