ナツツバキ ツバキ科
ナツツバキは、名前の通り夏にツバキによく似た花を咲かせます。植栽されていることも多いので見たことのない人は少ないと思います。
太くなると皮がはがれて幹はつるつるになる。サルスベリによく似ている。山にある木ではリョウブがよく似ている。
ナツツバキは、但馬の各地に自生します。花が咲いていればすぐに分かりますが、結構高いところに花をつけるのでうっかりしていると見逃します。いろいろなところで出会えるナツツバキですが、離ればなれに生えている傾向があって、まとまって生えている場所はなかなかありません。ですから山歩きをしていて開花に出会えたときには得をしたようなうれしい気持ちになります。
ここの木は、高く大きく育っているものが多い。
豊岡市但東町相田には、ナツツバキの群生地があります。200~300本あるそうですが正確なところは分かりません。ナツツバキは、沙羅双樹と言って寺院に植えられることの多い木ですので本来の自生なのか判断できませんが、豊岡市出石町奥小野あたりからこの地に向けて自生と思われるナツツバキが点在しますので、決め手に欠けるが自生と思いたいというのが正直なところです。
いずれにしても生育地の林は人里近くであり、薪炭林として利用されてきています。ナツツバキも他の木と同じように伐られ続けてきており、薪炭林としての利用が途絶えて成長したナツツバキが一斉に開花に至り、人目について個体数の確認がなされ、有名になったというような経緯があったと覚えています。
兵庫県下には、篠山町川原に篠山市指定天然記念物であるナツツバキがあります。樹高が、15mで、目通り(幹周り)が、1mというナツツバキとしては巨木であることが指定の理由になっています。
近年、 この木の周りの調査が行われ、この木を中心にした半径約250メートルにこの巨木の子や孫に当たると思われる幹直径が3.5cm~13cmのナツツバキが生育していることが分かりました。総数は、2011年8月までの調査で240本近いと言われています。相田のナツツバキ群落は、川原の群落よりも木が太く、範囲も広範囲であると思います。
葉が光らないが、葉の形もつぼみもツバキによく似ている。
ナツツバキの巨木は、三川山の山頂近くに幹周り1.5m近いものがあると『ひょうごの巨樹・巨木100選』にあります。調べてみるとその周りに数本そんな木があり、最大のものは幹周り1.7mにも達すると聞いていました。ところが、それらの木はあいついで枯れてしまったのだそうです。しかし、特筆すべき太さなので、どこかに展示してもらうことは出来ないかといろいろ当たってみられたそうですが、難しかったと聞いています。
ツバキと同じように花が丸ごと落ちる。2014年は、開花が10日ほど遅れたので、まだ数が少なくて寂しかった。
これはおまけ。但東町のシカは少なくなったようだ。オオイワカガミが復活していた。葉も普通に大きく、いい感じなっている。コウノトリの郷公園のオオイワカガミも来年はこの状態に近づくと期待している。