子実体は単子嚢型で群生し、柄があり高さが2.5㎜程度までで直立からやや傾斜する。
子嚢の直径は0.4~0.6㎜の球形または偏球形で白~灰白色または褐灰色、子嚢壁は膜質でほぼ透明、白色石灰で覆われ、裂開は上部から不規則に起こり花弁状になる。
石灰節は小さく、開いた子嚢の繊細な細毛体の中央部に白い球形の擬軸柱が見える。
これを星に見立てて和名がつけられたとの話がある。
なお、軸柱は柄の延長であるが擬軸柱は柄とは離れた石灰などの集まりである。
この個体は子嚢を覆う石灰が少ないのかあまり白っぽく見えない、また、子嚢壁は時に金属光沢を発するようで、かなりメタリックに見える。
柄は石灰質で白~淡黄色で基部はより暗色、上方に漸細する。顕微鏡下では連結糸は繊細でほぼ無色、胞子は細かい疣型。春から秋に腐木などにやや普通。
さて、少し私見を加えたやや不明瞭な図鑑的説明を書いたが、ホシモジホコリに初めて出会ったのは昨年の真夏8月8日。兎和野高原のいつものフィールドで、倒木に白~灰色の変形体が元気よく這っているのと、すでに子実体に変身しているのとが入り混じっているのを発見した。
幹回り70~80㎝ぐらいの倒木の根元部分に大量に発生していた。子嚢が重たげで直立できずに傾斜したり倒れていたりしている。初めて見る雰囲気。調べてみるとホシモジホコリのようだ。ネットのグループで尋ねてみてもホシモジホコリで間違いなさそうだ。翌週16日に再び訪れてみると、子実体はすっかり成熟し、変形体も元気よく這いまわっている。何やら変身する気満々な感じだ。変形体を少しだけ連れて帰って観察することにしてみた。
自宅で白い変形体が子実体に変身していく様子の写真を並べてみた。網の目状になって這いまわっていた変形体が丸い団子状に集まってきて、網の目がほとんどなくなって一つずつの独立状になって、
柄ができて立ち上がって、
子嚢部分が明確になり褐色に着色してきて、
子嚢の重みで直立できず、表面の石灰質も明瞭になり、
ほぼ形が出来上がり(室内の環境が悪くて少しいじけてしまった。以下は野外での写真)、
完成。裂開も始まる。
ホシモジホコリ、忙しい年の猛暑に良いものを見せてもらった。