ツマグロキチョウ(夏型オス)
9月に堤防を歩くとキチョウの姿がよく目立ちます。しかし、よく見るとモンキチョウ、キタキチョウ、ツマグロキチョウの3種類のキチョウが住んでいます。キタキチョウは従来単にキチョウと呼んでいたチョウです。この中でツマグロキチョウは少し珍しく、環境省のレッドリストでは絶滅危惧種(ⅠB類)になっています。ただし兵庫県には比較的たくさんいるようで兵庫県のレッドリストでは注目種です。
但馬では円山川や出石川の堤防でよく見られますが、その他の地域でも探せば見つかると思います。
ツマグロキチョウの幼虫の食草はカワラケツメイというマメ科植物を食べます。ツマグロキチョウが絶滅危惧種になっているのは堤防や草地の管理の変化でカワラケツメイが減少しているからです。カワラケツメイはクサネムによく似ていますが、クサネムが水田の畔などのやや湿った場所にあるのに対し、カワラケツメイはやや乾いた環境に生育します。
キタキチョウに比べると前羽の先端が少し尖ります。特に秋型では顕著です。後ろ羽に筋が入るのも特徴です。前羽の黒い模様も少し異なります。
カワラケツメイ
吸水のため集まることがある
生息地では夏の終わりごろ、農道にできた水たまりにたくさんのツマグロキチョウが集まり吸水します。サギの糞などがあるとそこに集中的に集まることがあります。