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今年も但馬にサケが帰ってきました

サケ目 サケ科   サケ

サケというと北海道や東北地方が有名ですが、西日本の日本海流入河川にも遡上産卵します。現在、毎年遡上する西限は島根県ですが、過去には九州北部の川にも遡上したようです。山陰地方の川は、サケが遡上産卵する川としては世界的にも南限のエリアです。

但馬でも円山川や竹野川、矢田川、岸田川といった主要な川に遡上産卵します。10月終わり頃から11月にかけて遡上します。

オスは鼻が曲がっており、背中が張り出しています。

メスはスリムな体型です。

歯が鋭いです。

この2枚は他の画像とは別の川で撮影しました。手前がメスで奥がオスです。産卵前にペアになります。

かつては円山川上流の生野まで遡上したようでして、サケにまつわる神社があります。また、江戸時代には豊岡藩から将軍へサケの加工品が贈られたという記録も残っているようです。豊岡では、“鮭は祭りのだんじり太鼓の音を聞いて海から上ってくる”という言い伝えがあります。サケは流域の人々の生活・文化とも深い関わりを持っていました。しかし、近年ではその数も少なくなり、サケが遡上することすら流域の人々から忘れられつつあるようです。

産卵をした場所「産卵床」です。川底を尾びれで掘って産卵します。周りの石と色が違うので目立ちます。

稚魚は冬にふ化し、春に海へ下ります。その後、日本海を北上し、北海道を通り過ぎて、遙か北方のベーリング海や北米のアラスカ湾に向かいます。この海域はオキアミなど餌生物が大変豊富です。4年後、全長70センチ前後になって産まれた川に戻ってきます。産まれた川に戻る確率「母川回帰率」は約90パーセントと高い確率です。

産卵を終えたメスです。尾びれがボロボロです。

産卵を終えてしばらくすると命が尽き、サケたちは故郷の土へ還ってゆきます。モクズガニが食べていました。このモクズガニや、冬にふ化する稚魚たちへと命が受け継がれてゆきます。

但馬のサケたち。長旅、ほんとうにお疲れさまでした。

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