先月のウキゴリに続き、今月の記事は近縁種のスミウキゴリです。スミウキゴリは6年前に一度記事にしていますが、その後も新しい画像が撮れたり、但馬での生息状況の全容が掴めてきましたので改訂版を投稿します。
おもに河川下流域から汽水域にかけて生息していますが、中流域にいることもあります。円山川水系では出石川など支流の中流部にいることがあります。また、海岸沿いの小川では上流部にもいます。意外と上流まで遡るようです。
ウキゴリによく似ていますが、スミウキゴリには第1背鰭(2個ある背鰭のうち前方の鰭)の白黒斑がありません。また、但馬ではウキゴリは一部の水系のみに生息していますが、スミウキゴリはほぼ全ての水系に生息しています。円山川のような大河川から、海岸沿いの小さな小川にいたるまで、ほとんどの河川で姿を見ることが出来ます。
海岸沿いの小川では、高密度でいることがあります。
こちらは但馬のある河川で行った魚類調査の時の画像です。ここではタモ網で10分間採集をすると40匹以上も採集できました。
大きな口です。肉食性で、水生昆虫や甲殻類などを食べます。
スミウキゴリも両側回遊魚です。川で暮らして川で産卵しますが、ふ化した稚魚は一旦海へ下ります。それから数ヶ月海で過ごした後、川へ戻ってきます。川と海との繋がりが良好であることが大切です。