ヒナハゼは川の下流や汽水域に棲んでいる小さなハゼです。成長しても全長3~4センチほどにしかならない、かわいらしいハゼです。よく目にする個体は、だいたい2センチほどです。そんな小さな魚なので、これらの画像を撮影した時も探すのに一苦労でした。
但馬での生息の記録は円山川のみですが、他の川にも棲んでいます。小さいので見つかりにくいためか、兵庫県レッドリストでは「要調査」にランク付けされています。ちなみに瀬戸内海側では揖保川のみで確認されているようです。
この中にヒナハゼがいるのが判るでしょうか。画像の中央あたりに1匹います。
撮影する時は、川底に潜って底の岩を掴み、じっと辺りを見回します。川底を小さな魚が動かないか探します。体が小さいことと、周辺の色に溶け込んでいるため、注意深く探さないと中々見つかりません。
この画像のように、フジツボやカキの着いている汽水域でよく姿を見ます。純淡水域にも棲んでいます。雑食性で、小さな水生動物や藻類などを食べます。
単独でいることがほとんどですが、この画像のように数匹がまとまっていることもあります。判りにくいですが、4匹写っています。
こちらは魚類調査で採集したときの画像です。気にしていなければ、落ち葉の破片などゴミと間違えてしまいそうな大きさです。
このヒナハゼのように、小さくて見つけにくいため生息が確認されていない生き物は、意外と多いのかもしれません。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也