たじまのしぜん

カジカ中卵型

カジカ中卵型   スズキ目 カジカ科

但馬の川には2タイプのカジカがいます。一生を川で過ごすカジカ大卵型、川で産まれた後、海へくだり、しばらく海で過ごして川へ帰ってくるカジカ中卵型です。小卵型は太平洋側に分布しているので但馬には棲んでいません。この名称ですが、それぞれのタイプによって産む卵の大きさに違いがあることから、こう呼ばれています。また、生活史にも違いがあります。大卵型は川の上流域に棲んでいて、一生淡水で過ごします。中卵型は川の中~下流域に棲んでおり、川で産卵・ふ化します。その後一度海へ出て、しばらく海で過ごしてから川に戻ってきます。

カジカは複数型に分かれており、中には遺伝子の違いから別種にされているものもあるようです。図鑑によっては、カジカ中卵型や小卵型を「ウツセミカジカ」としているものもあります。分類には諸説あり、現段階では混乱しているようです。

見た目そっくりで、外見で見分けるのはとても難しいです。違いは、胸びれのスジの本数(胸鰭条数)の違いです。カジカ大卵型は12~14本で、中卵型は13~16本です。それから、生息場所です。上流域か、下流域かの違いです。この個体は、胸びれをしっかりと広げてくれました。

胸鰭条数15本です。また、撮影した場所は河口から2kmの地点であること、博物館などが出している資料によると、この河川で採集記録があることなどから、この個体はカジカ中卵型と同定しました。

石の隙間に隠れていることが多いです。主に水生昆虫などを食べています。

一度海に出る魚(両側回遊魚)です。川と海を自由に行き来できてこそ、生きていける魚です。カジカ中卵型は、環境省レッドリストでは絶滅危惧ⅠB類(EN)、兵庫県レッドリストではBランクに指定されており、いずれにしても野生での絶滅の危険が大きいとされています。幸い、この川には割と多く棲んでいるようでして、ここに来ると必ず姿を見ることができます。いつまでもカジカ中卵型が棲める川を守っていきたいですね。

写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也

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