この時期、川の浅瀬で青と赤の美しい模様の魚を見かけます。オイカワという淡水魚です。但馬では「ハエ」とか「ハエジャコ」と呼ばれています。繁殖期になるとオスが鮮やかな色になります。熱帯魚のような鮮やかさです。日本の淡水魚の中ではとても色鮮やかな種類です。体長は10センチほどで、時々20センチ近い大型のものもいます。川の中流から下流域にかけて生息しています。雑食性で、水生昆虫や石についた藻など色んなものを食べます。水面に落ちた虫も食べますので、毛針で釣る人もいます。
周りにいる地味な色のほうがメスです。浅瀬の砂の中に産卵するため、好適な産卵場所をめぐってオス同士でけん制し合います。メスが来るとメスの横で体を震わせて産卵を促します。この写真を撮影した場所も、水深10センチあるかないかといった浅瀬です。
オス同士で闘っていました。
但馬では、オイカワは普通によく見られる淡水魚です。円山川のような大きな川から、田んぼ横の小川など、たいていの場所で見かけます。皆さんも近くの小川の瀬などで探してみてはいかがでしょう。もしいれば、橋や土手の上からでも見つけることができるでしょう。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也