カケスと言う鳥をご存知でしょうか。名前や姿の認識は無くとも、山に入って、「ジェイ・ジェイ」と突然けたたましく鳴く鳥の声に驚かれた経験はお持ちかもしれません。「ジャー・ジャー」と聞こえるかもしれません。
その鳴き声の主がカケスです。上の写真のような姿をした、ハトくらいの大きさの山の鳥です。外観からは想像しにくいですが、カケスはカラス科の仲間です。山のカラスといったところです。
2羽で一緒にいる場面に出会いました。カケスは雌雄同色です。おそらくこの2羽は番(つがい)なのだろうと思いました。
カケスは平地のカラス同様、雑食性です。平地のカラスは死肉を好むのに対し、カケスは木の実や昆虫などを主に餌にするようです。小鳥のヒナを襲うこともあるそうです。
カケスは他の鳥の鳴き声を真似るのが得意と図鑑などにあります。山で探鳥していると、聞き慣れない鳥の声が時々聞こえてくることがありますが、案外、カケスが物真似で鳴いているのかもしれません。
この写真は、環境省の許可を得た鳥類標識調査員が、カケスに足輪を付けたときに立ち会った際のものです。普段、このように翼の構造をつぶさに観察することは難しいのですが、標識調査時にはしっかりと観察することができます。
カケスの雨覆は、青と黒の斑模様になっており、他の羽根色に混じって際立つ美しさを持っています。たった一度だけですが、登山道を歩いていて、カケスのこの雨覆の羽根を拾ったことがありました。宝物を見つけたような気分でした。
もう一つ、カケスの特徴的なところは、目の虹彩の色が白いこと。多くの小鳥の虹彩は黒や茶色で、猛禽類やサギ類は黄色が多いですが、光彩が白い鳥というのは少ないです。カケスと、そして改めて気づいて頂きたいのですが、コウノトリの虹彩も白いです。白い虹彩の鳥というのは、どことなく人の目に近い印象を持ち、他の鳥にない目力を感じます。