たじまのしぜん

アオシギ

数少ない冬の隠者

この冬、豊岡市立コウノトリ文化館にまた一つ、新しい野鳥の剥製が加わりました。市内の野鳥好きの少年が、瀕死の状態で近所で見つかったこの鳥を譲り受け、川で餌生物を自分で採集してきて与えていましたが、残念ながらすぐに死んでしまいました。鳥の名はアオシギ。チドリ目シギ科に属する、このあたりは稀にしか観察できない冬鳥です。

死亡したアオシギを剥製にして、コウノトリ文化館に収蔵することになりました。アオシギは写真のとおり、地味な羽根色をしたシギの仲間です。でも、よく観察すると緻密で美しい羽根模様をしています。

山地の湿地や水辺で水生生物を餌に暮らしており、ふだん、私達がほとんど目にすることがない、謎めいた鳥です。長年野鳥観察をしてきた私でも、今回持ち込まれた剥製が、アオシギとの初めての出会いでした。

保護されたとき、このアオシギは左翼がちぎれて無くなっていたそうです。おそらく天敵の哺乳類に襲われたとき、翼を失いながらも、なんとか逃げることができたのでしょう。しかし、致命傷を負ったまま、生き延びることはできませんでした。剥製業者に持ち込まれてすぐ、最初にアオシギが発見された場所近くで、この鳥のち切れた左翼が見つかりました。剥製にするとき、もう一度左翼が繋げられて、もとの姿に蘇ることができたのです。

アオシギの特徴として、目が極端に後ろに付いていることがあげられます。湿地の餌を下を向いて探している時でも、後方の様子が見えるように進化したのです。夢中で餌を食べている時でも、後ろから近づく敵の動きを見ているのです。しかし、今回は天敵の方が勝っていました。逃げる前に襲われてしまったようです。

アオシギの大きさは鳩より少し小さいくらい。図鑑には全長31cmとあります。越冬のために但馬にやってきて、春になって生まれ故郷に帰る前に死んでしまったアオシギ。これからは、コウノトリ文化館の剥製室の中で、たくさんの人々の目にふれることで、アオシギという珍しい鳥のことを知ってもらう役割を果たしてくれます。

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