サワガニ 十脚目 サワガニ科
サワガニは山地の渓流など、水が冷たくてきれいなところに住んでいる淡水性のカニです。山地の多い但馬では目にした方も多いでしょう。
但馬の川などの淡水域には、海から近い下流域ではアカテガニやクロベンケイガニといったカニが住んでいますし、下流域から中流域にもモクズガニというハサミに毛の生えたカニが住んでいます。同じ淡水性でも、サワガニはそれらのカニとは大きな違いがあります。
前者のカニは川に住んでいますが、繁殖期には海へ下り、親ガニはとても小さな幼生を海へ放します。幼生はしばらくの間、海でプランクトンのように漂って生活を送ります。それに対してサワガニは海へ下ることなく、一生を淡水で過ごします。卵からふ化した時にはカニの姿をしています。
普段は水辺に住んでいますが、雨の日には水から離れて森林内を歩いていることがあります。この写真のように、山道で見かけることもあります。
地面に生えている草を食べています。雑食性で、昆虫やミミズ、藻類など色んなものを食べます。
ハサミを上げて威嚇しました。サワガニはハサミで雌雄を見分けることができます。オスのハサミは左右のどちらかが大きいのですが、メスは左右同じ大きさです。
水中での写真です。昼間は石の下に隠れていることがほとんどで、この写真も石をひっくり返して見つけた個体です。
近年、サワガニは生息数が各地で減少傾向にあります。但馬においても以前と比べて見ることが少なくなったと感じます。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣和也