ベニキジラミ 半翅目キジラミ科(Psylla coccinea)紅木虱
アケビとムベをフェンスに這わせている。春先の新緑が美しい。新芽が蔓になって伸びるのだが、4月の中旬ぐらいになるとアブラムシが付きだす。
数年前から、真っ赤なやつを見かけるようになった。またアケビの葉っぱが縮れて、団子のようになる症状も見られるようになった。今年は真っ赤なやつも、葉の縮れも多い。
この真っ赤な小さな虫は、てっきりアブラムシの一種の成虫で、葉の縮れはアブラムシが媒介するウィルス病の症状であると思っていたのだが、今回調べてみると間違っていることがわかった。この虫の正体は、「ベニキジラミ」。アブラムシの仲間ではなく、カメムシやセミの仲間の半翅目キジラミ科の一種であった。体長は2mm程度と非常に小さい。鮮やかな赤色のキジラミで、大変目立つ。
キジラミの仲間は、植食性の吸汁生活者である。ベニキジラミはアケビ・ミツバアケビ・ムベに寄生し、春の新芽について葉っぱが縮れてしまう。
成虫で越冬し、幼虫がアケビなどの展開前の若い葉に寄生すると、葉が二つ折りのままで肥大して縮れて、虫癭(ちゅうえい)になる。肥大し縮れた葉が団子みたいになるので、虫こぶとのイメージとは違う。
幼虫はこの中で吸汁して育つ。
白い蝋物質を出し、またアブラムシのように甘露も出して、それをアリなどが舐めに来る。アブラムシの出す甘露ほどの有引力はなさそうである。
6月7日現在、我が家の庭ではベニキジラミの発生は終盤に入ったようであるが、まだ羽化が続いている。
普通種。