以前にもここで「パンダガラス」として紹介したコクマルガラス淡色型が、久しぶりにやってきました。但馬では、年中見られるハシブトガラスとハシボソガラスに加え、冬になると、北から渡ってくるミヤマガラスが混じって、田んぼや河川敷でカラスの大きな群れが見られます。
注意深くカラスの顔を観察すれば、円錐状にまっすぐ突き出た灰色のくちばしを持ったカラスを区別できるようになります。これが冬の渡り鳥ミヤマガラスです。さらに、ミヤマガラスの群れをよくよく観察すると、小さなカラスが紛れ込んでいることがあります。
この小さなカラスがコクマルガラスです。たいがい、ミヤマガラスと一緒に行動していますので、コクマルガラスを見ようと思えば、まず、ミヤマガラスの群れをチェックすることです。
コクマルガラスは、「パンダ」とあだ名される淡色型の個体と、黒い暗色型、さらにその中間の中間型の3種類がいます。淡色型は遠くからでもひと目でそれと分かりますし、白いカラスという珍しさも気をひかれます。
電線に止まっていたコクマルガラスが飛び立ちました。近くの田んぼにおりて、ミヤマガラスと一緒に土の中の虫を探して食べます。ミヤマガラスと、その中に紛れ込んだコクマルガラスの行動範囲は結構広く、餌を求めて盆地内を移動しています。どこかでミヤマガラスの群れを見つけたら、コクマルガラスが隠れていないか探してみるのも、冬ならではの楽しみです。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信