メダカは誰もがその名前を知っていて、なじみの深い淡水魚でしょう。但馬では田んぼ際の水路を泳いでいるのを見る機会も多いと思います。
日本に住んでいるメダカは、背びれの形や遺伝子の違いから北日本集団と南日本集団という二つのグループに分けられてきました。そして今年(2013年)2月、それぞれに新しい和名が付けられました。青森県から兵庫県までの日本海側に生息するもの(北日本集団)は「キタノメダカ」、岩手県以南の太平洋側、兵庫県以西の日本海側、九州、南西諸島に生息するもの(南日本集団)は「ミナミメダカ」となりました。
但馬はちょうどキタノメダカとミナミメダカの分布の境目になるのですが、豊岡盆地に生息するものは「キタノメダカ・ハイブリッド集団」と呼ばれます。これは数百万年前、豊岡盆地で誕生したキタノメダカとミナミメダカの雑種の子孫と考えられている特異なメダカです。
豊岡盆地にしか暮らしていないこのメダカ。いつまでもここで栄え続けて欲しいですね。
この写真では少しわかりにくいですが、背びれ下部の切れ込みが小さいのがキタノメダカの特徴です。
ミナミメダカは切れ込みがこれよりも大きくなります。
メダカを上から見ると、背面に黒い縦筋が一本入っているのがわかります。淡水に住む小さな魚をまとめて「メダカ」と呼ぶことがあるようですが、その中には他の種類の稚魚も混じっているようです。この黒い筋で他の種類の稚魚と見分けることができます。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也