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トラフズク:一日限りの出会い

野鳥写真家に最も人気のある冬の渡り鳥の一つがトラフズクです。飛来数が少ない上、見られる場所も限られるので、飛来情報が流れるとあっという間にたくさんの人が集まって、節操も無く一日中レンズを向けられることになります。特にインターネット上での情報公開には細心の注意が必要です。
今回公開するトラフズクは、昨年末に観察した時のものです。たった1日だけの観察で、その後の目撃情報がまったくありません。このトラフズクはここでの越冬をせず、すぐにどこか別の場所へ移動して行ったものと思われます。いないことが確定していますので、この冬の記録として公開しておきます。

河川敷の込み入ったヤナギの枝の中に、1羽のトラフズクを偶然見つけました。2012年12月16日のことでした。過去の飛来記録から、トラフズクは複数羽で集団越冬することが分かっていますので、近くにほかの個体がいないか注意深く探してみましたが、この1羽しか見つけることができませんでした。

同じ仲間のコミミズクは日中でも活動することの多いフクロウですが、トラフズクは日中、ほとんど動かずにじっと目を閉じて眠っています。目を開けると、橙色の大きな目が魅力的なトラフズクも、こうして目を閉じてしまうと、まったく印象の違う鳥に見えます。

トラフズクは、いわゆるミミズクと言われるフクロウの仲間で、まさに「耳」が特徴的です。コミミズクの「耳」はとても短いので目立ちませんが、トラフズクの「耳」は長いのではっきりと分かります。
この「耳」は、実は耳ではありません。音を聞くための器官ではないのです。正体は頭の上に飛び出た飾り羽です。専門用語で羽角(うかく)といいます。何の目的でこんな羽が付いているのでしょう? 天敵の多い昼間に眠って過ごすトラフズクは、できるだけ隠れ場所の木の枝と一体化することが必要です。体全体の羽模様は木に溶け込んでしまいますし、羽角は風に揺られてまるで葉っぱの一部のように見えます。巧みなカムフラージュです。
もう一つ考えられるのは、敵に見つかったときに、大きな目をむいて羽角をピンと立て、顔面を怖い表情に変えることで、相手に威嚇を与えるのでしょう。何だか得体の知れない怖い生き物を演出することで、相手に逃げてもらう捨て身の作戦。
トラフズクやコミミズクが越冬するのに必要な条件は、なんといっても餌である野ネズミが豊富であることです。一時的にできた土砂置き場にはたくさんのネズミが住みつきました。やがて人工の環境が解消すると、集まっていたネズミがいなくなり、それをアテにしていた鳥達も来なくなります。人のしわざも含めて、自然環境というものを考えてゆく必要があります。
写真・文 コウノトリ市民研究所 高橋 信

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