
8月終わりの休耕田ビオトープに、小さな旅鳥1羽を見つけました。大きさはちょうどスズメと同じくらい。注意して探さないとその存在に気づかないくらいの、小さな地味な水鳥の名前はヒバリシギといいます。ヒバリっぽい外観からの命名ですが、ヒバリより一回り小さな体です。
ヒバリシギの繁殖地はカムチャツカ半島から西のシベリア東部にかけての一帯で、越冬地は東南アジアからオセアニアにかけての沿岸部。日本にはその旅の途中に立ち寄ります。豊岡盆地内の湛水田でたまたま見かける程度のまれな渡り鳥です。兵庫県レッドリストBランク。
飛んだときの姿はこんな感じです。秋渡りのこの時期に見かけるシギ・チドリの多くは、今年生まれの幼鳥が多いです。このヒバリシギの単独個体も幼鳥と思われます。
参考までに、北の繁殖地に向かう春渡りのヒバリシギの写真を掲載します。赤い羽根色が目立って、秋渡りの個体より美しい姿をしています。(5月3日撮影)
野鳥ファンでなければ、なかなか見る機会のないまれな鳥ですが、地球規模の渡りをする小さな旅鳥が豊岡盆地を中継地として定期的に利用しているのです。