桜の冬芽を見てみよう
冬には冬の植物観察があります。その代表が冬芽の観察です。
落葉樹は、葉が全て落ちてしまって、なんだか寒々しく見えますが、冬芽の中でもしっかりと春の準備が進んでいます。
冬芽は春に展開して葉や花になる部分を冬の乾燥や寒さから守ります。その守り方には様々な方法がありますが、今回は触れません。
今回はよく見る桜の冬芽の見分け方をお教えします。
いくつかの特別な用語が出てきますので、最初にそれを図に示します。これらの情報をや樹皮や木の姿形を総合してやっと名前にたどり着きますので大変です。
まずはその木が桜かどうかを見分けないといけません。これは簡単です。樹皮を見ます。
桜の仲間の多くは、白っぽい皮目が横長に入る特徴的な模様をしており、桜肌という言葉もあります。山の中にはよく似た模様の別の木もありますが、人里ならこれで桜と決められます。
植えられている桜の大半はソメイヨシノです。冬芽をアップで見てみましょう。毛が生えています。この軟毛があればまずソメイヨシノです。
ソメイヨシノは、雑種の桜です。オオシマザクラとエドヒガンの間に生まれた桜だと言われています。写真は、オオシマザクラ、エドヒガンの順です。ソメイヨシノの冬芽の形はオオシマザクラとエドヒガンの中間みたいです。毛が生えているのはエドヒガン似です。
丸くて毛が生えていたらソメイヨシノ、細長くて毛が生えているの(葉芽)があればエドヒガンです。エドヒガンが植えられていることは少なく、植えてあるのはエドヒガンの系統の枝垂桜が多いです。よく分からなかったら樹皮を見てください。エドヒガンは、桜肌ではありません。他の桜にある横向きの皮目が入っていません。
丸くて毛が生えていなかったら難しいです。候補は、オオシマザクラ、ヤマザクラ、オオヤマザクラ、カスミザクラですが、私に分かるのはヤマザクラだけです。ヤマザクラは芽鱗が離れます。これが決め手になります。ちなみにコウノトリの郷公園には、駐車場にソメイヨシノ(多数)、オオヤマザクラ(1本)、園内にヤマザクラ(多数)、カスミザクラ(多数)、オオヤマザクラ(1本)が植えられています。是非、観察にお越しください。