「春が始まった。」
キンキマメザクラ、ヒュウガミズキの花を見るとまもなく春本番だなと思います。車を止めて木の下の方を見るとスミレなどの花も始まりかけています。
早春の峠道をドライブするとサクラが目に入ります。細い木でそれほど高くはなりません。花は小さくまばらにつきます。少しさびしげなサクラ、それがキンキマメザクラです。
キンキマメザクラは富山県、石川県、福井県、長野県南部、岐阜県、近畿・中国地方などに生育します。但馬には多く、標高の低い山から高い山まで至るところに生えています。低山では3月中下旬に咲くサクラですが、兎和野高原あたりになると5月になっても咲いています。
但馬のキンキマメザクラの花には白いものから赤が強いものまで様々なタイプがあります。まず花が咲きますが、咲いているうちに葉も広がってきます。
どこの峠道にもあるものではありませんが、細い低木に黄色い花が咲いていればヒュウガミズキの可能性が高いです。豊岡市には多いですが、他ではあまり見かけません。別名はイヨミズキですが、日向にも伊予にも生育しませんから、不思議な名前です。
庭にはよく似たトサミズキが植えられています。こちらは土佐に生えています。ヒュウガミズキの花は3個くらいがかたまって着くのに比べてトサミズキは10個近くがついて派手な感じがします。おしべの先が赤いのもトサミズキの特徴です。兵庫県の太平洋側にはトサミズキに似たコウヤミズキがが自生します。おしべが赤くて、山の中ならコウヤミズキかもしれません。こちらは高野山にもあるようです。名前に合っていますね。名前といえば、キリシマミズキという希少な種があって、こちらは霧島山系にしか生育しません。
ヒュウガミズキの花を見ていたら白い花が目に入りました。今年のモミジイチゴは早いなと思って近づくと葉の形が違います。ビロードイチゴでした。黄紅色~鮮紅色の実をつけます。味がよいので私のお気に入りのキイチゴの一つです。まだまだ先になりますが、熟すのを楽しみに待とうと思います。