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ヒメコガサ、カサの径は大きく開いても1.5cmまで、円錐形から釣鐘~饅頭型、褐黄色で放射状の濃淡があり、ひだは肉桂色で疎。柄はカサと同色。みずみずしい緑色のコケ類の中から単生~散生する姿は地味ではあるが可憐。
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珍しいキノコではないが、山中で出会うと、小さくてけなげな感じのためか、ホッとする。おそらくコケ類と共生あるいは寄生関係にあると考えられる。早春から晩秋に発生。真冬でも出会える可能性がある。
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ヒメコガサは、以前はフウセンタケ科であったが、今はヒメノガステル科に分類されている。フウセンタケ科の細分化が進み、ヒメノガステル科(Hymenogastraceae)、アセタケ科(Inocybaceae)、オキナタケ科などが分割された。
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ヒメノガステルというのは学名(Hymenogastraceae)の発音が基本的にそのまま和名とされている。
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ヒメコガサはその中のケコガサタケ属に分類される。
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無毒のようであるが、小さいので食用の価値はない。同属に猛毒菌のコレラタケ(ドクアジロガサ)がある。幸い見た目が全く違うので間違うことはない。
よく似たものにヒナノヒガサというキノコがある。こちらについては、2014.10.11に報告している。
当時はキシメジ科に分類されていたが、現在はヒナノヒガサ科として独立しているようである。ヒメコガサと非常によく似ているが、カサの中央がくぼみ、名の通り日傘のような形となっている。また、あくまでも個人的な好みであるが、群生しており可憐さという点ではヒメコガサよりも数段落ちる。しかしヒメコガサと比べて、見かける機会はずっと少ない。
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これなどは、色的にはとても明るくて美しいがヒメコガサの範疇に入るのかもしれない。しかしカサ突端部が陥没している点はヒメコガサとは言い難い。たまたま右個体が奇形なのか、顕微鏡で胞子などでしっかりと調べてみないと判断できないのだろう。
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いずれにせよ、ヒメコガサやそういったキノコは好きである。