円山川河口付近で水中撮影をしていた時、小さな魚の群れに出会いました。2、3センチほどの小さな魚です。
近づいてみます。サツキハゼの群れでした。多くの方にとっては、あまり耳にしない名前の魚かもしれません。
内湾や川の汽水域に生息している小さな魚です。大きさは成長しても5センチほどです。頭から尾にかけて、一本の黒い筋模様があります。動物プランクトンを食べます。夏、カキ殻の隙間とかに産卵をします。円山川河口域はカキ殻が沢山あるので、サツキハゼにとっては絶好の繁殖場所なのかもしれません。今の季節、その稚魚たちが沢山見られます。
こちらは魚類調査で採集した時の写真です。名前の由来は、体の色が5月の新緑を思わせるからだそうです。頭部側面が青く輝きます。
川の河口付近などの汽水域は、淡水域に比べて多種多様な生き物が生息しています。このサツキハゼのように、小さくてあまり目立たないような魚も、沢山生息しています。サツキハゼは、但馬では今のところ円山川汽水域だけで確認されているようですが、他の川にも生息しているかもしれません。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也