ムラサキホコリの一種(おそらくサビムラサキホコリ)
ムラサキホコリの一種 Stemonitis sp. (おそらくサビムラサキホコリ Stemonitis axifera (Bull). T. Macbr.)
ムラサキホコリ目,ムラサキホコリ科,ムラサキホコリ属 錆紫埃?
粘菌の一種。ムラサキホコリ属のおそらくサビムラサキホコリ。高さ約2㎝、柄は黒光していて子実体の長さの半分くらいまであり、オオムラサキホコリなどと比べて長い。
朽ち木の中などに住んでおり胞子を飛ばすために這い出てきて、巨大なアメーバ状の変形体が大変身して、写真のような子実体を形成する。変形体は白色、まれに淡黄色とのことだが、変形体も大変身する過程も、なかなかお目にかかれない。
この子嚢体の部分が赤茶の鉄さびのような色ということで、サビムラサキホコリという和名が付いているようだ。ただ個人的には、他のムラサキホコリ類も紫色というよりもさび色に近いと思うので、いまいちこの説明はしっくりと納得できていない。数多く観察するとそのように感じるようになるのだろうか。
これは子実体としてはまだ若くて、胞子が入っている子嚢体がまだ束になってくっ付いている。
粘菌の子実体は総じて小さいので、発見しても肉眼ではよく見えないのだが、ルーペやカメラを通して拡大してみると、非常に美しい世界が見える。若い子実体の黒光りする軸が林立している様子は印象的だ。
世界に広く分布するようで、観察のチャンスが多い種のようです。