駅でレンタサイクルを借りたり、列車に自転車を輪行して行くことのできる見どころ情報をお送りする「駅サプリ」。
(サプリは補足という意味です。「たじま途中下車の旅」を”個人的に”補足し、またお読みくださる皆さんの心の栄養補給の足しになれば幸いです。)
駅サプリの最後にご紹介するのはJR播但線「竹田駅」です。
今やすっかり有名になった竹田城。その麓に、多くのお客様をお迎えする玄関口として、また地域住民の足として、重厚なつくりの竹田駅があります。周辺の町並みは、城下町や宿場町の面影を色濃く残しています。(駅近辺の見どころは、「たじま途中下車の旅」~竹田駅編~に詳しくのっています。先に見てね。なお写真の撮影日はまちまちです。)
駅の開業当時(1906年)から使われている駅舎は、瓦ぶきで重厚な作りです。屋根越しに竹田城の雄姿が見えます。(写真・右、山の左側です)
私が最初に訪れたのは、今から約30年ほど前のこと。誰一人おらず、ゆっくりと堪能したことを覚えています。(写真はだいぶ昔のものです)
駅西には寺町通りがあり、白壁、松並木、寺院の大屋根など、歴史を感じさせる景観が残っています、、と思ったら、
堀を思わせる水路の中には、アニメや超有名ネズミキャラクターの石像が設置してあり、そのギャップが楽しい。
駅東を南下すると表米神社があります。「たじま途中下車の旅」にも出ていましたが、相撲桟敷が残っています。本殿の後ろには大きな石が祀られています。
本殿は干支の彫刻で飾られています。写真の左の列の真ん中、猿であることはわかるのですが、どのような状況を彫っているかよく分かりません。2頭の猿の首あたりに紐が渡され、子猿を手を引っ張って加勢しているような、、。もう一頭は歯を喰いしばっているような、、。首で綱引きをしているのでしょうか。う~む、意味深です。
駅東、立雲峡に続く橋を渡った国道312号の交差点に、おかち地蔵様がいらっしゃいます。
案内看板には、若い僧に恋慕をした娘「お可智」が、かなわぬ恋をはかなんで円山川の淵に身を投げた。純情恋慕を憐れみ地蔵菩薩を祀ったとあります。そういわれてお地蔵様をよくよく見ると、少し悲しげにも見えますね。
駅近くの表米神社ではなく、おかち地蔵から約1.3㎞南下したところにある表米神社には御神木の大イチョウが生えています。
以前にも別のイチョウでご紹介しましたが、こちらも大きな気根があり「乳の木」と呼ばれています。看板には、撫でると子が授かり、乳の出が良くなる、とあります。それにしても立派な乳です。
今度は、竹田駅から一気に北上し、竹田小学校下の円山川近くに、不動明王の石像と南無阿弥陀仏の名号碑などが置かれています。
化粧地蔵は但馬に多いのですが、化粧不動もあったんですねえ。どうですか、この炎の力強さ。悪い心も燃え尽きてしまうようです。
不動明王の上の山にはポッコリとした屋根が特徴的な、観音寺があります。以下は「但馬の百科事典」より参照
本堂・観音堂・経堂・鐘楼・山門・庫裡が、兵庫県の有形文化財に登録されています。本堂は六間取り(表3室、裏3室)の典型的な方丈形式で、建立は寺伝から宝暦14年(1764)です。観音堂、経堂、鐘楼は宝形造で、いずれも18世紀後半の建物とされています。
山門は四脚門で屋根は桟瓦葺、こちらも18世紀後半の建立とされ、いずれも竹田城下町の歴史的景観を形づくっています。
転輪経蔵はお経を収めた書庫のようなもので、回転します。功徳を積むことができない人でも、回すことにより同じ功徳が積めるそうです。分かりにくいのですが、経蔵の前に人物の彫刻があります。調べてみると、この回転式経蔵を発明した傅大士らしい。6世紀、中国、南北朝時代の方で、「笑い仏」ともいわれているそうです。確かに両サイドの子どものような人は手を上げて笑っているように見えます。
観音寺から、山を下りて西へ、藤和へ向かいます。その途中に「夏谷の名水」があります。ここまで結構な坂道ですので、一休みしましょう。ゴクゴク
夏谷の名水を更に奥に行きましょう。そこにそびえ立つのは大将軍杉です。「すげー」としか言葉にできないくらい、圧倒的な存在感、迫力です。張り出した枝の一本いっぽんがそのまま巨木で、中心の幹は家のようです。
正面には鍵のついた扉があります。扉の向こうに不思議の国のアリスがいても、もののけ姫に出てくる「こだま」が木の枝に座っていても、さもありなんと思うことでしょう。私の見た巨木の中で(多くはないのですが)、不思議感でピカ一です。是非ぜひ、一度行ってみてください。
竹田駅周辺では、人の文化や歴史を楽しみ、びっくりな巨木に会うことができます。
あなたもいかがですか? 但馬はいつでも、旅人を迎えてくれます。
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