駅でレンタサイクルを借りたり、列車に自転車を輪行して行くことのできる見どころ情報をお送りする「駅サプリ」。
(サプリは補足という意味です。「たじま途中下車の旅」を”個人的に”補足し、またお読みくださる皆さんの心の栄養補給の足しになれば幸いです。)
さて、今回はJR山陰線「竹野駅」です。竹野といえば海水浴場、、だけじゃない!。魅力いっぱいの竹野をご紹介します。(駅近辺の見どころは、たじま途中下車の旅「たじま途中下車の旅~竹野駅編~」に詳しくのっています。先に見てね。)
竹野駅を降りたら海方向に進み、海岸沿いを走る但馬漁火ラインを西に向かいます。
するとトンネルの手前に、巨大なカニが海中から爪を振り上げ、岩をつかんでいるような「はさかり岩」があります。
兵庫県の天然記念物に指定され、「落ちない」パワースポットとして合格・就職祈願に訪れる人もあるのだとか。
私的には「今年こそみんなで宴会をして、美味しいカニとうまいお酒をいただけますように」とお願いしたいのですが、、。
はさかり岩から但馬漁火ラインを東に500mほど進むと切浜海岸に出ます。そこから海に伸びた岬の先端あたりに「穴」があります。淀の洞門です。以下は「但馬の百科事典」を参照
「幅約25メートル、高さ15メートル、奥行き40メートル。(中略)ここには「淀の大王」と呼ばれる鬼が住んでいたという伝説が残っています。大昔、この洞門を住処にしていた「淀の大王」を首領とする鬼の集団が、日々悪さをし良民を苦しめていました。そんな噂を聞きつけ、出雲に帰る途中に村へ立ち寄ったスサノオノミコト。鬼たちを征伐し、村には再び平和が戻ったそうです。」
洞門の中に入ってみたかったのですが、落石のため通行止めとなっています。
淀の洞門を東に向かい、「休暇村竹野海岸」の近くから遊歩道が延びています。先に進むと素晴らしい眺望が開けています。
大浦湾は深く澄んだブルー。海に横たわる猫崎半島と、その先に見えるのは丹後半島でしょうか? 一見の価値ありです。
大浦湾を西に進み竹野海岸に出ます。浮世絵師歌川広重はこの竹野海岸を、諸国名所百景に「但馬鷹のはま」として描いています。
記念碑の穴から除くと猫崎半島が見えます。
左が広重の描いた「鷹のはま」、右は現在の様子です。似ているのかどうか、、、微妙、、。
竹野海岸から猫崎半島に向かいます。半島の東と西では海の荒れ方が違うのだそうです。西側の方が波が高く、その波と石が作ったポットホールを見ることができます。時の流れを感じます。ただし!! 危険な時には絶対に行かないでくださいね。
猫崎半島の先端まで行く元気はないので、ほん手前の賀嶋公園まで登ります。こちらも眺めは抜群です。青い海と砂浜が広がっています。今年は先端まで行ってみたいと思うのですが、この公園から先に見える半島の山の高いこと。
竹野海岸近くにある宇日神社です。主祭神は彦火々出見命(ヒコホホデミノミコト)です。小さいながら社殿の彫り物が見事ですねえ。動き出しそうな龍。睨みを利かす獅子と獏の木鼻。その龍の上に鎮座するのは、、
小さな大男です。(きっと大男に違いないと思える迫力です)力士像ともいわれているようです。
宇日神社の向かいにある海龍寺には相撲力士のお墓があります。賀嶋嵜勘三郎さんの墓碑です。力士の彫刻といい、お墓といい、この地では相撲の興行が盛んだったのでしょうか。はっけよいの掛け声と声援が飛んでいたことでしょう。
最後に、竹野川右岸を南に下り、小守神社の先を左折して道を上ると、両界院と観音寺があります。
豊岡市文化財の宝篋印塔や、見事な龍の彫り物、僧房があったころには生活用水として使われていた「長寿の名水」、近くには咳の神様の祠などもあります。(詳しくは「T2・88号」を見てね)
もう一つ、私の大好きな伝承話があって、、、
乳垂れイチョウです。樹皮を煎じて飲むと乳の出が良くなったといわれています。よくは分からないのですが、右の写真が垂れたお乳でしょうか?見事なお乳です。ちなみに、これは乳柱(気根)で、日本各地に母乳、子宝や安産などのシンボルとしてあがめられ、信仰対象になっているようです。
竹野町ではスマートフォンでAR(仮想現実)を見ることのできる「AR竹野ラビリンスまち歩き」を、3月31日まで行っておられます。
竹野駅周辺で、伝統や伝承だけではなく、最新技術も取り入れた竹野のまちを感じてみませんか?
但馬はいつでも、旅人を迎えてくれます。
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