豊岡演劇祭が9月9日~9月22日まで、豊岡市内の各地で行われています。
その中心的な場所が、この江原地域です。
今回は江原のまちを題材にしたアート作品が展示されているということで訪れました。
江原駅の改札を出ると目の前に、豊岡演劇祭の横断幕が迎えてくれます。
全但バスも、豊岡演劇祭仕様になっていましたよ!
江原駅近くのかつてショッピングセンターがあった場所の1階に豊岡演劇祭のフェスティバルセンターがあります。
豊岡演劇祭のチケットを買ったり、案内を聞いたりすることができます。
フェスティバルセンターの対面にあるのが、江原駅前に古くからある商店街サンロード1番街のアーケードです。
本屋さんや美味しい焼き鳥屋さん、レトロな純喫茶など魅力的なお店がある商店街ですね。
アーケードに入ると、天井になにやら写真が印刷された垂れ幕がかかっています。
写真に写っている場所は、江原駅前にある商店街の9つの店舗です。
どの写真にも女性2人がオシドリの剥製をもって「音」を探すポーズで写っています。
2人の女性は、豊岡高等学校の生徒で、アート作品を越後さんと一緒に作りあげたそうです。。
アーケード内にあるこちらの店舗内では、商店街の「音」を聞くことができいます。
コーヒー豆を挽く「音」や焼き鳥を焼く「音」、新しく届いた雑誌の封を開く「音」など…
商店街にかざられた写真とその音を別々に感じるという新しい感覚の体験ができます。
この作品は、現代芸術家である越後正志さんの作品「観測地点」というアート作品の一部だそうです。
この場所以外にも江原駅周辺に「観測地点」の作品があるそうなので巡ってみましょう。
サンロード商店街から少し歩くと、江原河畔劇場があります。
この劇場は、豊岡市に移住された平田オリザさんの劇団青年団の本拠地として、今年の春オープンしました。
今回の豊岡演劇祭の中心的な会場の1つとなっています。
こちらの劇場で行われる演劇は、期間中ほぼ完売となっていました。
旧商工会館を改修した劇場はとても趣がありますね。
江原河畔劇場前のバス停も、赤と白の模様が特徴の演劇祭仕様になっています。。
これは、演劇祭終了後もそのままになるのでしょうかね??
江原河畔劇場から国道に沿って南下し、小さな路地を抜けると友田酒造さんの酒蔵があります。
こちらにもアート作品が展示されているとのことです。
江戸時代に建てられたという酒蔵は、とても趣があり入るだけでわくわくします。
普段、入ることができない酒蔵に入れるだけでも貴重ですが…
会場がアートな空間となっており異世界にいるようです。
こちらの作品は、作者の越後さん自ら円山川河畔のくさむらにひそみ鹿が出てくる様子を撮影した映像作品です。
鹿が河川敷を歩くのは非日常的でありながら、江原地域の生活のすぐそばにある風景であることを示しているそうです。
こちらの作品は、酒蔵の空間を横切るようにつるされた約70枚の青焼き写真です。
越後さん自身が森に入って写した写真と蔵の薄暗がりの空間が組み合わされて独特な空間が生み出されています。
こちらの作品では壁に映し出されている影が、もぞもぞとゆっくり動いています。。
この影は、作者の越後さんが円山川の中でみつけたヒメタニシを投影したものだそうです。
こちらの水槽にいるヒメタニシをリアルタイムで映し出しているとのことです。
友田酒造からほど近い河川敷には、野外のアート作品が展示されています。
河川敷の芝生が8の字にカットされていました。
場所移動が制限されたコロナ禍の状況をぐるぐると同じ場所をまわる「∞」の形として着想されています。
実際作品の上を歩いてみることもできます。
河川敷からは円山川越しに江原河畔劇場の後ろ姿をみることができます。
日常的な江原駅周辺の風景と、非日常なアート作品が組み合わされ不思議な空間が生み出さていました。
またそれにより地域に新しい風が吹き込んでいることを肌で感じることができました。
この感覚は、写真ではなかなか伝わりませんのでぜひ訪れてみてください。
豊岡演劇祭は、9月22日まで開催され、越後さんの作品「観測地点」の展示も19日からの4連休期間中もみることができます。
また、江原駅周辺では、ナイトマーケットや演劇パフォーマンスが楽しめます。
詳しくは豊岡演劇祭ホームページをご覧ください。