丹波黒の枝豆がおいしい季節になりました。私は毎年たくさん買っておいて冷凍保存し長く楽しんでいます。
さて、今回の植物は、丹波黒など大豆の原種と言われるツルマメです。
花の大きさは大豆とそれほど変わらない。
ツルマメは、日本全国の道ばた、野原、いたるところにふつうに生えています。ちょっとした攪乱を受けた場所に多いように思います。
大豆の原種といってもツルマメと畑の大豆はかなり姿形が違います。畑の大豆は直立していて80cmくらいの高さになります。茎は結構太くてがっちりとしています。一方でツルマメは、名前の通りに蔓植物で茎は細くて他の植物に巻き付きます。葉も豆も大豆よりかなり小さいです。
左はツルマメ、右は大豆(黒豆なのでやや大きい)
ツルマメは人に利用されていく中で栽培植物である大豆へと姿を変えていったようです。日本へは他の栽培植物と一緒に大陸からやってきたとされています。大豆の栽培種化は中国で起こったとされていますが、ツルマメは日本にも自生しますので、一部は日本でも栽培種化されたのだろうといわれています。日本ではツルマメについては縄文草創期(約15,000~12,000年前)に、大豆については縄文後・晩期(4000~2300年前)に利用されていたことが分かっているそうです。
葉が落ちる頃には豆がよく目立つ。しかし熟すると半分くらいは触るとはじけて飛んでしまう。
ツルマメの豆は、長さが4~5mmほどの小さなものです。大豆同様に食べることができます。蔓は長いものは4mくらいにまで伸びて、多くのさやをつけます。20個体で約13,000個の種子をつけたという観察例もあります。根気強く集めれば話の種にはなると思います。