メリケンカルカヤ イネ科
メリケンカルカヤは、田舎から都会まで、日当たりが良くて乾燥した場所に生えます。関東以西では最も人目に触れる植物の一つだと思います。
成長速度は速くないですが、刈り取り圧には強く、叢生すると引き抜くことも難しくなるので一度入ると駆除は難しい植物です。晩秋~冬に全草が朱色に紅葉し、春まで枯れ草が立ち上がったままで目立ちます。秋に目立つのはこの植物とセイタカアワダチソウというような場所が多くあります。
日本で最初に発見されたのは愛知県で、1940年ごろのことです。
メリケンカルカヤは、おそらくは1940年ごろから各地に同時多発的に入ってきて、それぞれが勝手に広がってきているのだと思いますが、ネットには芝生の普及によって増えたという意見もありました。
メリケンカルカヤは、どうやら寒い所は苦手なようで、関東以西では非常にありふれた植物ですが、2019年の時点では、山形県、秋田県、岩手県ではごく限られた地点に生育するだけで、青森県や北海道では確認されていません。
さて、メリケンカルカヤという名前ですが、メリケンはアメリケンです。北アメリカ原産の植物なので、産地由来なのでしょう。
カルガヤは、「刈る茅」のことです。名前にカルカヤのついた在来種は、オガルカヤとメガルカヤがあります。それらに似ているのでしょう。
また、「刈る茅」には屋根を葺 (ふ) くために刈り取る草という意味があります。この意味では、ヨシ、ススキ、オギ、チガヤなども含まれます。どれも似たような姿をしていますし用途は同じです。
メリケンカルカヤは多くの場所で在来の植物を圧倒しています。減らすための努力をした方がよい場所も少なくありません。