ホクチアザミ キク科
2022年、ホクチアザミを探し回り、なんとか開花個体群を2か所で見つけました。そのあたりのことを2022年の10月に記事にしています。
種子を採取することも出来ました。しかし、頭花を分解してみると中に入っていたのはみすぼらしいやせ細った種子でした。大丈夫なのかなあと不安を感じさせるものでした。悲しいことに予感は的中して、送付先の専門機関で播種していただいたものの発芽することはありませんでした。
2023年、人手の関係で、2か所の管理は無理だと判断して、1か所に絞ることにしました。神鍋山の個体群を囲っていたのは、保護柵と呼ぶのもはばかられる簡易なものでしたので、しっかりとした柵を立てることにしました。豊岡市に補助金を頂き、兵庫県の環境課や地元区などの許可と協力を得て、看板もつけました。
自生地には、ワラビが多く生え、刈っても刈っても芽生えてきます。ワラビは、すぐに大きくなりホクチアザミを覆ってしまいます。ワラビに埋もれないように草刈りを繰り返して見守りました。
努力の成果か、ホクチアザミは、これまでで最も生育面積を広げ、花をつけた株数も最大となりました。
今年は、暑さのせいか開花が遅く、種子ができるのも遅くなりました。
花が終わり茶色くなったのは11月中旬過ぎでした。
ドキドキしながら、頭花を分解してみました。痩せています。何個か見るうちに太ったものも出てきましたが、歩留まりはよくありません。
「困ったなあ」と思いながら、できるだけ大きな頭花を選んで、持ち帰りました。分解して丁寧に見ると充実したものも見られました。
期待を込めて3か所の植物園などに送りました。春に芽生えてきてくれることを期待しています。