ノゲシ キク科
ノゲシには、オニノゲシというよく似た種類があります。どちらもいたるところに生えていて、私はこの植物の花を見るとまた春がきたなと思います。
と、のどかなことを書いていますが、実はいろいろと困っています。どうも昔とノゲシの様子が違うのです。この記事を書くために2月にロゼットの写真を撮ったのですが、その時から嫌な予感がしていたのです。
2月の写真です。
春先のノゲシは、茎も葉も柔らかそうな見た目をしています。実際に触ってみても柔らかいです。一方でオニノゲシは、トゲが鋭く、葉も光って、ノゲシと比べると見た目は鬼です。触ると痛いのでやっぱり鬼なんです。
実は、この時、トゲは全く痛くなかったのです。あれれです。
ノゲシとオニノゲシの確実な見分け方は茎につく葉の様子の観察です。
茎の上部につく葉に注目します。
ノゲシは、葉の基部が茎に密着していて、基部が三角形の形をして後ろに突き出します。オニノゲシも同じように葉の基部が茎に密着していますが、三角形になりません。中には後ろに突き出さずに、丸く茎を囲むものもあります。ここの様子は、鬼の方が優しい感じですね。
この特徴から見ると見分けられるような気がします。写真はそれらの特徴を持っているものです。しかし、実際に見てみると「これ、どっちなの?」というのが続々と出てきます。トゲは、堅いものはあっても痛いことはありません。
この日、数十の個体のトゲを触りましたが、痛かったのはこの個体を含めて2個体だけでした。この個体はきっとオニノゲシなんでしょう。では、それ以外はノゲシかというとそれも違うようです。どうやらノゲシとオニノゲシの雑種であるアイノゲシである可能性が高そうです。
トゲの手触りからするとこれは全部アイノゲシです。
ノゲシの花とオニノゲシの花です。
アイノゲシの向こうにノゲシです。
ノゲシには淡い色の花があります。まれに白もあります。
最も身近だと思っていた植物も日々変化しているようです。観察が大切ですね。