ヒレタゴボウ アカバナ科
私が但馬で初めてヒレタゴボウを見たのは、たぶん2008年です。当時、但馬にウスゲチョウジタデが生育していることが分かり、その分布を調べていたときのことだと思います。円山川の下流域、城崎町の休耕田に少数の株がありました。その後、あまり見た覚えがないのですが、最近になって急に目にするようになりました。
六方川で毎年、植物観察会をしていますが、5年ほど前に、2株見ました。「ここにも出てきちゃったなあ。」と思いながら2株とも抜き取りました。3年前、散歩コースで水田の端に1株見ました。今年はもう各地で見まくりです。水田、河原、高水敷・・・・・。
六方川には大群落ができていました。かつて見た場所の数km上流です。お花畑もありました。
ヒレタゴボウは、休耕田や湿地などに生育する1年草です。大きなものは150cmくらいになり、茎はよく枝分かれをして広がります。花は黄色で一つずつ点々と咲きます。
ヒレタゴボウは北アメリカ~熱帯アメリカからやってきた外来植物です。ヒレタゴボウという名前は1955年につけられています。ヒレのあるタゴボウという名前です。タゴボウというのは、チョウジタデの異名です。チョウジタデに似ていて茎にヒレがあるのでヒレタゴボウなのでしょう。
豊岡には在来種のチョウジタデ、ウスゲチョウジタデと外来種のヒレタゴボウが生育します。前2種は4本のおしべを持ち、ヒレタゴボウは8本のおしべを持ちます。
花の大きさは、
ヒレタゴボウ>ウスゲチョウジタデ>チョウジタデ
で、ヒレタゴボウが一番見栄えがします。
美しいからいいじゃないかと思われるかもしれません。しかし、その場所に生えていた植物たちを追いやっていたとしたらそれは問題です。六方川の場合、ヒレタゴボウが入った場所には、保護上重要な植物が集中的に生育します。
ヒレタゴボウがホソバイヌタデ(兵庫県では豊岡市に限られる)、タコノアシと並んで生えていました。圧倒しているようにも見えました。ゴキヅルには影響があるのか不明でしたが、気になるところです。観察していきたいと思います。