ヤマアジサイ アジサイ科
但馬でそこそこ高い山に行くとヤマアジサイに出会うことができます。乾燥した尾根筋には生えませんが別名サワアジサイの名の通り谷沿いや湿った斜面にはよく生えています。
ヤマアジサイという名前ですが、園芸のアジサイではなくガクアジサイによく似ています。ヤマアジサイはアジサイのように装飾花だけでなく、ガクアジサイのように両性花のまわりを装飾花が取り巻いています。
ヤマアジサイには装飾花だけを見ても様々なものが含まれています。大きなもの小さなもの、幅広いもの狭いもの、花色も白、水色、青、淡いピンク、ほとんど赤いもの、・・・・・・。いろいろなタイプがあって見ていて飽きません。まだ自然界では出会ったことはありませんが、八重のものもあり、これにはシチダンカという名前もついています。
さらに面倒なことによく似たエゾアジサイというものがあります。エゾアジサイの分布は文献によって異なっていて、大ざっぱに「本州(日本海側)」と書いてあるものや「北陸以西は日本海側」と書いてあるものや「島根以東」と書いてあるものやいろいろです。確かなことは但馬にはエゾアジサイもあるということです。しかし、典型的なエゾアジサイは少ないようで、私はとりあえずヤマアジサイと言っておいて、葉が丸くて花や果実が大きなものはエゾアジサイのようにも見えますとお話ししています。
ヤマアジサイは関東以西に分布するとされている。この写真は東北で撮ったので「エゾアジサイ」で間違いないと思われる。確かに葉は丸くて大きい。
子どもの頃、花まつりには必ず山の上にあるお寺さんまで上って甘茶をいただきました。これの独特の甘みをよく覚えています。
アマチャはヤマアジサイの変種で、葉に甘い成分を含んでいます。また、ヤマアジサイの中にも甘茶のできる系統があると言われています。葉を生でかむと苦く、甘味は少ないですが、半乾きにして揉むと甘くなります。試してみてください。
これは但馬産。花も葉も大きいのでエゾアジサイ?