オオハンゴンソウは、北アメリカ原産のキク科の植物です。明治の中頃に観賞用として日本にやって来たと言われています。八重などの多くの品種が知られています。やがて栽培地から逃げ出して野生化して全国に広がっています。寒冷な場所を好むようで北海道や中部山岳地域では一面をおおう非常に大きな群落を見たことがあります。この植物ばかりが密に生えているので、在来種への大きな影響が懸念されています。特定外来生物に指定されています。
特定外来生物なので駆除しないといけないのですが、初夏に咲くオオキンケイギク同様にきれいな花を咲かせる上に、特別な世話をする必要もなく毎年咲き続けることを重宝がられて、草刈の時にあえて刈り残されることが多くあります。
幸いなことにこの植物は、寒冷な地を生育地とするので但馬の中ではオオキンケイギクほどには広がっていません。高原限定といった状況で、今なら駆除は十分に可能です。例えば鉢伏高原には、私一人でやっつけられるほどしかありません。神鍋高原は、広く繁茂していますが、組織的に対処すればまだ何とかなると思います。
オオハンゴンソウは、多年草です。根から抜かないと枯れません。地上部を刈っただけでは全然だめです。根を抜いたと思っても地下茎が残ります。手で抜くのは無理です。スコップなどで掘り返す必要があります。また、毎年たくさんの種子を作りますが、この種子が土の中で何年も眠っていて気まぐれに発芽します。というわけで駆除しようと思ったら一年の取り組みでは全く駄目です。青森県の種差海岸では、平成23年から本格的に駆除作業を行い、平成29年までに年に3回の駆除で合計367万1251本を抜き取り、7年目にしてようやく数カ所で根絶させることが出来たそうです。根気強く続ければ駆除できるということのようです。
オオハンゴンソウという名前から、ハンゴンソウという植物があるのだろうということが分ります。ハンゴンソウという在来植物があります。ハンゴンは反魂と書きます。魂が帰ってくるということで、死者の魂を呼び返すこと。死んだ人をよみがえらせるという意味があります。どうやらそれくらいよく効く薬草と間違えて和名を付けたとされています。