タガラシ キンポウゲ科
今回は、予習のために載せます。しっかりとお勉強して春の植物観察に備えましょう。
四月も中頃になるとじめじめした田んぼの中に、なんだかみずみずしい茎に黄色の小さな花をつける植物が目立ってきます。これがタガラシです。乾いた田んぼはダメです。あちこちに水たまりのある田んぼ、水浸しの田んぼが好きなようです。水のある水路や溝でも結構見かけます。
茎や葉はつやつやして柔らかそうです。60cmくらいに大きく育ったのも、10cmくらいの小さなのもあります。大きくても小さくても時期になれば花を咲かせます。花は小さなかわいらしい花です。花びらはピカピカと光沢を持っています。この光沢は、この仲間、キンポウゲの仲間によくある性質です。
柔らかそうでおいしそうにも見える個体もあります。でも決して食べてはいけません。毒草なのです。タガラシだから「田んぼの芥子(カラシ)」とは思ってはいけません。確かに田んぼのカラシから来た名前という説はあります。毒なので辛いのかもしれませんが、試さないで下さい。名前にはもう一つ説があります。「田んぼを枯らす」のでタガラシという説です。何にも育たないようなやせた田んぼに生えるというような意味なのでしょう。昔の人が食べたとも思えませんし、割と養分のある中栄養~富栄養な田んぼに生えるので収量が極端に落ちるとも思えません。どちらの説もそんな気もしますし、そうじゃない気もします。植物の名前にはよくある話です。
似たような名前の植物はいろいろあります。代表的な例だと「芥子」だとカラシナ、イヌガラシ、トウガラシ、「枯らし」だとヤブガラシですね。
最後によく似た植物です。乾いたところには、ウマノアシガタがよく生えています。花びらがずっと大きいです。同じく乾いたところにトゲミノキンポウゲ生えています。地面をはうように生えています。実の形も違いますね。
ウマノアシガタ 花びらの長さ 8~11mm
トゲミノキンポウゲ 花びらの長さ 長さ6.5~8mm
タガラシ 花びらの長さ 3.5~4mm