河谷から上流を望む。堤防はセイタカアワダチソウ。高水敷きは原野環境。
10月7日に六方川で観察会がありました。「六方川を考える会」が主催された会です。
六方川は、「原野の植物」という特殊なタイプの植物が大量に生育する場所です。原野の植物は、大きな川の下流域に生育します。原野の植物がたくさん生えていれば、そこは自然度の高い場所であると考えられます。
中谷から下流を望む。手前の高水敷きにはヨシとスゲが多い。
河谷から中谷までおよそ400mを六方川の左岸に沿ってゆっくりと歩きました。
草の背が高く、また、雨でぬれていたために、高水敷きに降りるのは難しいかなと思っていたのですが、草刈り機で降り口を作っていただきました。おかげで六方川の中核的な場所を見ることができました。
堤防にはセイタカアワダチソウが大量に繁茂していました。量は変わらないものの以前に比べると背が低くなっているそうです。高水敷きには、わずかにオオブタクサが見られましたが外来種はほとんど見られなく日本の川らしい姿をしていました。
ミゾソバとヤノネグサ。ピンクがミゾソバ。
高水敷きには、タデ科の植物が目立ちました。ミゾソバ、ヤノネグサ、サクラタデ、シロバナサクラタデ、ヤナギタデ、ホソバイヌタデ、イシミカワ、サデクサです。
ホソバイヌタデとヤナギタデ。茎の赤い方がヤナギタデ。
この中でホソバイヌタデとサデクサは絶滅危惧種です。ホソバイヌタデは、兵庫県では円山川水系の下流域にしか生育しません。六方川は、最も簡単にホソバイヌタデを見ることができる場所です。量も多く、兵庫県で最大の生育地と思われます。
サクラタデ。花らしい形をしているのはこの種とシロバナサクラタデ。
シロバナサクラタデ。サクラタデとこの種は多年草。他は一年草。
堤防の上部にはタデ科の植物としては、イヌタデとイタドリが見られました。隣接する六方田んぼにはオオイヌタデが見られました。
六方川周辺を少し探すとボントクタデも見られます。
六方川は狭い範囲に10種類以上のタデ科の植物が生育します。タデ科の植物の勉強にはもってこいの場所です。
この日は、絶滅危惧種としては、他にゴキヅル、ミクリ、タコノアシが見られました。
確認できた植物は60種ほどでした。