マメホコリ。
粘菌(変形菌)の一種。
子実体が豆粒のような粘菌。
直径数ミリから1.5cm程度の大きさになり、群生・密生・散生し、若い時はピンク~オレンジ色、やがて黄褐色から暗褐色となる。歩いていても目に付く粘菌の仲間では発見しやすい仲間と言える。
子実体の皮層は薄く表面に突出する鱗片があり、皮を破くと赤い粘液が出てくる。
なぜか破れて粘液が出ているものをよく見かける。
トビムシなどが齧ったりしているのかもしれない。
ゆっくりと成熟し、皮層が黄褐色でも中身はまだまだ赤いものもあり、暗褐色の胞子塊になり自然に皮層が破れて胞子を飛ばすには相当の日数(数週間以上)が必要と思われる。
針葉樹・広葉樹の朽ち木から発生。
古いものを含めれば年中観察できる。
「日本変形菌類図鑑」(平凡社1995)ではマメホコリ(広義)と記載されている。
近縁種に、より小型のコマメホコリ、大型のチチマメホコリ、高さ4mm程度までの小さな円錐形のイクビマメホコリが記載されている。
そして、今後マメホコリ自体がかなりの種類に分類される可能性があると考えられている。
その後発刊された「図説日本の変形菌」(東洋書林1998)では、鱗片がほとんど見られないナメラマメホコリ、鱗片がモザイク状の小室に分かれているモザイクマメホコリが新たに記載されている。
それぞれ顕微鏡下でも特徴があるようであるが、これらのマメホコリたちはイクビマメホコリのみ外見的に円錐形で明確に区別できるが、その他は私には簡単に見分けることができない。
今回は安易な同定は避けて「マメホコリ(広義)」として報告したいと思います。
これまでに撮影したものからの一部を抜粋して20枚をランダムに掲載します。
イクビマメホコリ以外のマメホコリ属が複数種含まれている可能性が高いと思われます。
今回あらためてマメホコリの写真を並べてみると、そのバリエーションの広さに驚きました。かなりの写真データと少しの標本があるので、形態的特徴や発生時期、環境などを分類して行くと、それなりの研究が出来そうです。
マメホコリ属はいつでも簡単に見つけられるので、あまり興味の湧かない対象なのですが、とても奥深い対象なのだと思います。(撮影場所・日付け等についてはご要望があれば掲載します。)