クサイロハツ。名の通り草色の初茸。カサは中央部がやや窪む扁平。湿潤時には粘性がある。周辺部には溝線を生じる。秋に、広葉樹、特にカバノキ類の樹下に発生する。世界中で発生。
このキノコに僕が出会ったのは、昨年(2018)秋が初めてである。ハツタケ類の特徴を明確に有しており、緑色のハツタケ類は、アイタケ、ウグイスハツ、カワリハツの緑色のタイプなどがあるが、何度も見ているアイタケ、カワリハツとは雰囲気がかなり違うため、クサイロハツの可能性が高いということには、すぐにたどり着くことができた。しかし、ネットでクサイロハツを検索すると、多様な写真が出てくるものの、クサイロハツではなくカワリハツではないかと思われる怪しい判別例も見られ確信が持てない。手持ちの図鑑でクサイロハツが写真付きで掲載されているのは山渓フィールドブック「きのこ」が唯一で、それを見る限り、クサイロハツの緑色は独特のもので、溝線や発生環境も併せてクサイロハツと同定した。
また、図鑑にはまだ掲載されていないであろう最近和名が付いたばかりらしいウグイスハツの可能性も否定できないのだが、その特徴であるヒダと柄の接点付近の乱れがあまりないので、ウグイスハツではないと判断した。いかがでしょうか。世界中で発生するが、どちらかというと珍しいようである。食。