コブリマメザヤタケ
コブリマメザヤタケ、このキノコ、最初はマメザヤタケ(Xylaria polymorha)だと思っていたが、いろいろ調べてみると、近縁種のコブリマメザヤタケのようである。名前の通り、小振りのマメザヤタケ。普通、小さめの近縁種には「こ」とか、「ひめ」とかが付くのだが、これはなぜか「こぶり」が付いている。手持ちの図鑑ではマメザヤタケは掲載されているが、コブリマメザヤタケが掲載されているものはない。
少しややこしくて不正確な説明になるが、遺伝子を乗せた染色体を有する細胞の核をもつ人間も含めた真核生物には、染色体的に1n世代と2n世代があって、我々は2n世代で普通に生活しており、1n世代は精子や卵子の一時期だけである。
菌類は1n世代が生活環の大部分で、繁殖の一時期に2n世代がある。で、多くのキノコの子実体は、2n世代の有性生殖を行うステージである完全世代(テレオモルフ)であるのだが、1n世代で無性生殖を行うステージである不完全世代(アナモルフ)のものがある。この説明は、おそらく乱暴で間違いも多く含んでいるかもしれないが、正確に説明すると長くなるし、僕もよくわかっていない。
で、このコブリマメザヤタケは面白い性質を持っていて、この写真のようにベージュ色の花弁状の不完全世代(アナモルフ)のキノコと、最初の写真のように約2~7cmの棒状(豆莢のようにも見える)の完全世代(テレオモルフ)のキノコが同一の菌糸の上に発生するとのこと。
ネットで見る限りでは、その状況を捉えた今回載せている写真はなかなか珍しいようである。アナモルフの子実体とテレオモルフの子実体とは、全く形状が違う。なので、カビ類では同一種とは判断しにくいので、別種として記載していたのだが、最近ようやく同一種として記載しようということになったとか、、、
いろいろとよくわからないことだらけなのであるが、この写真でさらに疑問が発生。
この子実体はテレオモルフの形の子実体からアナモルフの子実体が出ている。これはどういうことなのだろうか。
もしどなたか、よく理解されている方が見ておられたらいろいろとご教示願いたい。