たじまのしぜん

ナマズ

ナマズ   ナマズ目 ナマズ科

ナマズは河川の中流域から下流域、湖沼などに生息しています。小川や田んぼ際の水路にいることもあり、特に田んぼの近くで見ることが多いです。農作業の時に見かけた方もあるのではないでしょうか。

但馬では、円山川や竹野川、矢田川、岸田川といった、大きな川の水系に棲んでいます。

スリムな体型です。ウロコはありません。大きい個体では、全長70センチにもなります。

下あごが出ている受け口です。ヒゲが4本あります。稚魚の頃は6本ですが、成長すると2本消えます。このヒゲはセンサーの役割を果たしており、エサを探すときなどに役立っています。動物食性で、魚やカエルなどを食べます。この大きな口で、獲物を丸飲みします。

主に夜行性です。昼間はこのように、水草や石の陰、岸のえぐれなどに潜んでいますが、時々、昼間活動している事もあります。

臀鰭(しりびれ)を波打たせて泳ぎます。

産卵のため田んぼに入ってきたナマズ。

産卵は春から夏、梅雨の頃です。大雨による増水で冠水した氾濫原で産卵をする魚です。日本列島では、氾濫原のほとんどは田んぼとして利用されています。水が張られた田んぼは、ナマズたちにとって産卵しやすい場所です。

しかし、現代の田んぼは圃場整備によって水路との間に高低差があり、この画像のようにナマズが産卵できる田んぼはごく僅かです。最近では水田魚道を設置するなど、川との繋がりが保たれた田んぼを整備する取り組みが各地で行われていますが、それも限られています。

かつてのように、ナマズたちが川と田んぼを自由に行き来できるようになれば、水田の生物多様性の回復が進むと考えられます。

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