今年の夏、竹野海岸で銀色の小さな魚の群れを何回か見かけました。水面近くをひらひらと泳いでいました。
ナミノハナです。あまり聞き慣れない名前だと思います。全長5センチほどの小さな魚です。銀色に輝く体で、磯の波打ち際を群れて泳いでいます。海水浴場など砂浜にはいないのですが、スノーケリングで磯を泳いだ方は見たことがあるかもしれません。外洋に面した磯にいます。
一見、イワシの稚魚に見えますが、イワシの仲間ではありません。「トウゴロウイワシ目」というグループに分類されます。我々にとって馴染みの深いマイワシ(ニシン目)などとは異なるグループです。動物性プランクトンを食べるようです。
横からみるとずんぐりとした感じですが、木の葉のような薄っぺらい体型です。画像では解りませんが、背鰭は二つあります。ボラの稚魚によく似ています。
このナミノハナ、日本近海にいるものは4種類に分けられるという説がありますが、まだはっきりとしたことがわかっていないようです。資料によっては、「ナミノハナ属の1種」とされていることがあります。
この画像のように、水面近くをひらひらと泳ぎます。時折、波に揉まれています。
熱帯魚のようにカラフルではありませんが、銀色に輝きながら群れて泳ぐ姿は、なかなか美しいものです。
写真・文 コウノトリ市民研究所 北垣 和也