たじまのしぜん

川を耕す

2018.10.9

私が小学生の頃、今から50年以上前ですが、円山川にはアユが本当にたくさんいました。解禁日開けの日の蓼川堰の下流は鮎釣りの人であふれていました。隣り人の釣り竿がぶつかるほど竿が林立していました。小学生の私もわくわくしてその日を待ちした。釣具屋さんで鑑札を買って、日曜日になるとどぶ釣りに精を出しました。わずかなこづかいをためて、釣具屋さんに行き、どの毛ばりを買おうかと真剣に悩んだのを覚えています。

やがて次第に釣り人が減り、近年は円山川でアユ釣りをしている人はまず見かけません。昔に比べると激減したのだろうと思います。それでもアユはいなくなったわけではなく矢田川のアユは名産品として道の駅などで商品として並び、竹野川流域に住む知人は、鮎漁が解禁されると連日の出漁で「腱鞘炎になるわ」と言われていました。まあ、それなりにいたのだと思います。

ところがここ数年、但馬の各河川で不漁が続いています。50〜60年ほど前に比べると激減したアユがさらに減っているということのようです。

原因は、産卵場所の減少、カワウによる被害、海水温の上昇、冷水病の蔓延などいろいろと言われています。

対策として昨年、初めて「川を耕す」イベントが行われました。河川改修などの結果としてアユが産卵するのに適した環境が非常に少なくなっています。そこで、人間がそんな環境を作ってやろうというイベントです。他の多くの河川では、かなり前から行われていて、円山川でも是非やってみたいと思っていた作業でした。

出石川の二カ所で川を耕しました。

アユの産卵場は中流域と下流域の境目付近となる砂利底の瀬で浮石状態になっている場所に形成されます。また、河床材料が5mm以下の場所を好み、流れが周辺と異なる場所で産卵する傾向が見られます。(出典:アユの産卵場づくりの手引き)

 

円山川水系では、アユの産卵状況調査が続けられており、浮石ができる場所や河床材料の大きさについても分かっています。それらの条件などを勘案して実験の場所が決まられました。

実験箇所は、もともとアユが産卵するのに適した場所です。まずは、アユが産卵していないかを確認します。もし産卵していたらすでに良い状況なので作業は中止です。残念ながら卵はありませんでした。

ジョレンやレーキや鍬やスコップやらそれぞれの人のお気に入りの道具で瀬をかき混ぜます。私はジョレンを持参しました。砂を流して、礫を残します。沈み石を浮石にするのが目的です。流れ出た小さな砂が下流の石の間に入り込んで埋まってしまわないように、上流から下流に向けて耕うんします。うまくいくとアユが産卵してくれます。

今年は、何度も出水があったので、礫の状態はよく、初めから浮石状態の場所がたくさんありました。

今回は河川管理者である国土交通省豊岡河川国道事務所の皆さまをはじめとして豊岡市コウノトリ共生課、円山川漁業協同組合、兵庫県立大学豊岡ジオ・コウノトリキャンパス、NPO法人コウノトリ市民研究所、NPO法人コウノトリ湿地ネット、NPO法人但馬自然史研究所など多くの皆様のおかげで短時間で作業を終えることができました。

なお、結果については、国土交通省によってモニタリング調査が行われています。目視で産卵が確認され、また、環境DNA濃度を用いた調査でも濃度の上昇が確認されています。成果があったことは間違いないと思います。継続して川を耕していけたらと思います。

落ちアユを狙ってカワウがやってきます。産卵できる場所は限られており多くのアユが集まります。それを狙って沢山のカワウがやってきます。豊岡市の方で対策を取られています。そちらにも期待したいと思います。

「アユの産卵場づくりの手引き」については以下をご覧ください。

http://www.jfa.maff.go.jp/j/enoki/pdf/ayu1.pdf

 

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