秋渡りの今の時期でしか会えない旅鳥の中でも、私たちの身近で観察される小鳥にエゾビタキがいます。蝦夷(エゾ)の名がありますが、北海道で繁殖する鳥ではありません。エゾビタキの繁殖地はさらに北のサハリンや極東ロシア沿岸沿いです。
大きさはスズメくらい。里山林縁や河川敷、海岸沿いの防風林などでよく見かけます。ベージュ色の下面に、胸のこげ茶色の細かい縦斑が目立ちます。雑食性で、旅の間は秋の木の実をよく食べています。
エゾビタキはヒタキ科の鳥です。このグループの英名はFlycatcher(フライキャッチャー)といい、その名のとおり、フライ=羽虫を空中捕食するのが特徴です。先日も、河川敷のクワの木の先端に止まって、何度も空中に飛び出して羽虫を捕まえる行動を観察しました。
日本で今の時期しか見られないエゾビタキ、皆さん近くで観察できるかもしれません。