3月初旬、豊岡市内の健康福祉施設の敷地内で、ヒレンジャクとキレンジャクの渡りの群れを観察しました。彼らのお目当ては、植栽のクロガネモチの赤い実。北の繁殖地へ向かう旅の途中に立ち寄ったものです。
ヒレンジャクとキレンジャクは良く似た姿をしています。明らかな識別ポイントは、尾羽先端の色。漢字でヒレンジャクは「緋連雀」、キレンジャクは「黄連雀」です。ヒレンジャクの尾羽先端は赤、キレンジャクは黄です。飛ぶときにジェット機のように「ヒーン・ヒーン」と鳴きますので、声を頼りに群れの動きを探ることができます。
連雀の名は、このように連なって止まることに由来します。休憩のときには道路わきの電線にも連なって止まります。スズメよりは少し大きな鳥で、目の周りが黒くて冠羽を立てた顔つきは、ちょっと厳(いか)ついですね。
春渡りの季節は、京丹後市の海岸沿いのハイネズの実によく付きますが、いつもの中継地の植生が昨年の野火に焼かれて変わってしまったため、レンジャクをはじめとする渡り鳥たちへの影響もあるかもしれません。