たじまのしぜん

クロジ

夏の森で出会う

クロジ

クロジ

ホオジロ科のクロジについて、但馬情報特急で過去2回の記事をあげています。6年前の初出では、初めてクロジの撮影に成功したことを書きました。本年2月には、里山におりてきた真冬のクロジについて書きました。

何年も同じ鳥に注目しながら、但馬エリア内で観察を続けて行くと、それまでは図鑑の知識や、インターネットの記事経由の聞きかじりの情報でしかなかったことが、自分自身の観察結果としての事実として認識されてきます。

今回のクロジは、繁殖期の夏羽の成鳥オス個体の写真を紹介します。2月の記事では、クロジは標高の高い山中で繁殖期を過ごし、冬には里山林縁におりてきて暮らす、「漂鳥」と呼ばれる垂直移動を行う鳥としての紹介をしました。

今回の写真は、本年7月12日に撮影しました。場所は標高900m付近の林道上です。「ホーイ・チョイチョイチョイ」と聞こえる独特なさえずりで、林道周辺の林の中にクロジが潜んでいることがわかりました。しばらく待機して、ひょっこり出てきたわずかな瞬間にシャッターを切ることができました。

山で繁殖する多くの野鳥は、5月から6月にかけて子育てを行います。クロジは少し遅めの繁殖時期なのか、あるいは、他のホオジロ科の鳥が行うように、「第2クラッチ」と呼ばれる2度目の繁殖に入っていたのかもしれません。7月の中旬でもクロジのさえずりが聞こえる理由を、これからの継続観察で注目してみたいと思います。

夏羽のクロジは、紹介した写真のように、本当に真っ黒です。翼に茶色が混じっていますが、冬羽のクロジの写真と比較してみると、その黒さの違いがよくわかります。

クロジはホオジロ科の仲間ですが、ホオジロ科の多くは尾羽の1番外側が白いのが特徴です。クロジはそれがないのも特徴の一つ。飛び出したとき、ホオジロ科の尾羽の白がよく目立ちますが、クロジは真っ黒なままのシルエットで飛び出して行きます。

野鳥観察を長く続けてくると、自分のお気に入りの鳥というのができてきます。派手な色をした鳥が一般的に人気を博しますが、私の場合、冬鳥ではハギマシコの渋さが好きですし、このクロジのモノクロームな姿にも惹かれます。冬の里山での再会を楽しみにしています。

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