冬の猛禽類として普通にみられるのがノスリ。背中側からみるとトビに似ていますが、トビより小さく、止まっ時のシルエットはトビに比べ、ずんぐりした感じです。前から見るとトビとの違いは一目瞭然。白い色をしています。この写真の注目ポイントは2つ。
(1)こげ茶色の模様は胸のあたり帯状にある
(2)脚に毛は無い。
さて、今回の話題の主ケアシノスリの写真を見てみましょう。先のノスリで指摘した2箇所を比較します。
(1)こげ茶色の模様は腹全体に広がっている
(2)脚が白い短毛に覆われている
胸から頭部にかけての白い色も、ノスリのアイボリホワイトに比べて、あきらかに白いです。
飛翔時のケアシノスリです。腹のこげ茶色がよくわかります。また尾羽の広げた模様も普通のノスリとは違っています。
ケアシノスリは、当地では10年に一度飛来するくらいの、とても珍しい冬の渡り鳥です。その神々しく白い姿と猛禽らしい顔つきは、野鳥写真愛好家の憧れの的です。今回の豊岡盆地への越冬飛来も10年ちょっとぶりのことで、渡来初期は地元の鳥仲間内で観察や撮影をシェアしていました。しかしすぐに飛来情報はインターネット上で拡散し、全国から多くの野鳥カメラマンが押し寄せるようになりました。
今回のケアシノスリは2023年1月7日~1月24日まで同じエリアに滞在し、強い寒波の襲来と共に、別の場所へ移動して行きました。地元で静かに野鳥観察を続けている私達の仲間が、10数年ぶりのケアシノスリとゆっくり向き合えなかったことは少し残念なことでした。