トゲケホコリ
1 ヒョウタンケホコリ Trichia favoginea
2 トゲケホコリ Trichia persimilis
3 キケホコリ Trichia affinis
私の素人的な解釈を含めて乱暴に書いてしまうと、これらは一つの種として扱うこともできるが3つに分けて扱うことも多く、「日本変形菌誌」2021年日本変形菌誌製作委員会発行では1と2・3に分け3を2の「キケホコリ型」としている。外見的には、1は2,3と比べて子嚢がより長くひょうたん型をしており、2,3は子嚢がそれほど長くなく両者区別はつかないが、顕微鏡下で3には細毛体の螺旋紋にトゲが確認できない。また、1は主に秋から冬に2,3は春から秋にかけて発生する。しかし3者にはしばしば中間型が出現する。 写真はキケホコリ
変形菌についてはほとんどの場合で言えることだと思うが、フィールドで出会ってその場で種類は分からない。 写真はトゲケホコリ
ルーペやデジカメのマクロ撮影で拡大してみると、なんとか分かる場合もあるのだが、これら3つの場合はうまく横サイドから子嚢を見ることができれば、ヒョウタンケホコリについては判別することもできる。 写真はキケホコリ
しかし、上からしか見えなかったり、熟していてすでに子嚢が裂開し毛羽立っていて胞子だらけだったりすると分からない。 写真はトゲケホコリ
生物顕微鏡の写真は鮮明でないので分かりにくいが、細毛体にトゲのあるなしがトゲケホコリかキケホコリかの決め手といってよかろう。 写真はキケホコリ
今回は、私が採取したトゲケホコリとトゲケホコリのキケホコリ型の写真を掲載するが、両者の違いは螺旋紋にトゲが確認できるか、胞子のヘリが広いかどうかなので、子実体についての雰囲気の違いなどをもし感じられたとしても、それはキホコリ型であることが原因ではないと思う。 写真はキケホコリ
なお、「Graphic voyabe変形菌」2017年川上新一著にはトゲケホコリ、キケホコリがそれぞれ別に紹介されており、キケホコリはトゲケホコリよりもその子嚢の色の黄色みが強いと書かれている。 写真はキケホコリ
さて、まったくの個人的感想なのであるが、ケホコリの仲間もたくさんいるが、トゲケホコリ~キケホコリが最も普通種で比較的よく出会うと思う。 写真はトゲケホコリ
よく出会うといっても私はまだ10回もないのだが。ヒョウタンは1回だけ。ケホコリも1回だけ。ナカヨシが2回。ハチノスケが3回ほど。あとは良くわからないのに少し出会ったことがある。 写真はキケホコリ
ケホコリ類の中で最もよく出会うこと、細毛体と胞子が絨毯を敷き詰めたようなに見える外観、シンプルな和名のイメージ、私はキケホコリに最も親近感を感じる。 写真はトゲケホコリ
写真はキケホコリ