ウキゴリはハゼの一種です。よく似た種にスミウキゴリがいますが、ウキゴリは第1背鰭(2個ある背鰭のうち前方の鰭)に白黒の斑紋があるのに対し、スミウキゴリにはありません。また、シマウキゴリもよく似ていますが但馬には生息していません。
河川下流域から汽水域にかけて生息しています。流れの少ない淀みや淵にいることが多いです。同じ河川にスミウキゴリが生息していると、ウキゴリは上流側に棲み分ける傾向があるようです。
但馬では一部の河川に生息しています。兵庫県レッドリストではCランク(兵庫県において存続基盤が脆弱な種)に指定されています。
ウキゴリの名前の由来は「浮き鮴(ごり)」。つまり、浮くハゼという意味です。ハゼの仲間は大抵は底でじっとしていますが、ウキゴリの仲間はこの画像のように中層に浮いていることがあります。
こちらは近縁種のスミウキゴリです。第1背鰭の白黒斑がありません。
こちらは未成魚です。おそらく、初夏、海から遡上してきた個体でしょう。ウキゴリは両側回遊魚といって、川で暮らして川で産卵しますが、ふ化した稚魚は一旦海へ下ります。それから数ヶ月海で過ごした後、川へ戻ってきます。豊かな河川環境の保全・復元には、海との繋がりや、さらには周辺の湿地など、様々な環境との繋がりが大切です。