豊岡市九日市にある女代神社は、円山川と出石川の合流地点に鎮座しています。大昔からの度重なる洪水にもかかわらず、社殿への浸水は一度もなく、水に浮かぶが如くたたずむ神社の姿は「浮島明神」と称えられ、災害や厄難を払い、円山川の交通の安全をつかさどる神社として知られています。
年末の大祓の儀式とならび、6月末に行われる「夏越しの大祓い」で行われた「茅の輪くぐり」にお参りしてきました。宮司の大祓いの祝詞奏上で始まり、予め配布された「切り幣」といわれる紙片を振りまく「自祓い」行事につづき、「茅の輪くぐり」が行われました。
6年前の平成19年に40年ぶりに復活した伝統行事で、大屋川河畔で刈り取られた茅ガヤで作られた輪を、「茅の輪くぐり」の歌をうたい左・右・左まわりの三回くぐることによって、半年間の自身が犯した罪や穢れを取り除き、新しく生まれ変わるとされています。
この日は老若男女の氏子80名近くがお参りされ、神妙な面持ちで茅の輪くぐりの神事に参加されていました。かって各地で行われていたものの、時代の流れとともに廃れていった行事ですが、関係者の尽力で復活しました。毎年6月の最終日曜に開催されるとのことで、「暮らしの中で生きる伝統行事」として引き継がれていってもらいたいものです。